カメラとは

私にとってカメラはクロッキー帳であり、直感の装置、内から沸き出でる自発性の装置であり、またそれは視覚言語によって問いと決定を同時に行う瞬間の支配者である。世界に「意味を与える」ためにには、ファインダーが切り取る対象に自己が巻き込まれていることを感じなければならない。・・・略・・・写真を撮るということは、理解するための手段であり、それは他の視覚表現手段と一体のものである。それは叫ぶ方法であり、自己を解放する手段であり、自身の独創性を証明するためのものでもなければそれを確認するためのものでもない。それはひとつの生き方である。〜1976年 カルティエ=ブレッソン
パリ・街・人 アジェとカルティエ=ブレッソン 1988年写真展カタログより